2NE1(トゥエニーワン)
 
K−POPの瞬間風速が日本を抜いた過去最高値


『TO ANYONE』 1集('10)





 2009年下半期のソロ活動


サンダラ
『KISS』

2009.09.07
 
 パク・ボム
『You And I』

2009.010.28
CL & ミンジ
Please Don`t Go

2009.11.20




‘私についてやってみて’


 2NE1 / 1集 ('10) <CMBC-9601>

  くしくも、この年、2010年春から夏にかけて空前のK-POPガールズブームが日本で巻き起こったため、主要の韓国女性アイドル『少女時代』『KARA』などは日本での活動に従事していた。
 大物女性アイドルグループ不在のなか、2NE1は、9月9日にいよいよ音盤としては1年2ヶ月ぶりとなるファーストアルバム『TO ANYONE』を発売させた。
 






 去年の衝撃的なデビューから、他の女性グループにはないアンダーグラウンドな香りとカッコよさで独自の世界と熱狂的なファンを築きあげた
2NE1は所属事務所YGエンターテイメントの強力なバックアップを受け、さらにパワーアップした姿を見せる準備を整えた。
 用意された楽曲は、‘FIRE’の続編のような前向きラップ
‘拍手しよう
、近未来的なデジタルポップ‘Can't Nobody、失恋を機に前向きな強い女性を歌い上げる‘I don't care’のこれまた続編のような‘Go Away’というなんと3曲同時リーダー曲を用意。
 どれもが、豪華なPVを製作し本気モードの楽曲で、それを目の当たりにした私は、YGエンタの社長のヤン・ヒョンソク(元ソテジ・ワ・アイドゥル)の意図がすこしだけ感じ取れた。ここで1位から3位まで2NE1で染まるようなそんな空前のストーリーを思い描いてKポップ界に決定打を打とうと考えたのではないかと。


 その読みは当たり、ダウンロードサイトでは上位を独占する快挙を成し遂げたが、カムバックステージでは数曲披露できたものの、毎週の活動曲が各局の取り決めからか1曲に絞らざるをえなかったため、3曲同時リーダーの作戦は、結果的には1曲リーダーで活動していることと変わらなくなったので、広く浅くな感覚からか‘I don't care’のように週をまたいでの連続1位が続かなかった。やはり、いきなり3曲出しは、すこし急いでお披露目しすぎた感があり裏目に出たのかもしれない。
 さらに、この時期、K-POP界では女性アイドルグループブームに続き、3次とも4次ともいえる新人男性グループブームの中から有力株が台頭してきて、特に『BEAST』は
2NE1の連覇を阻止した上り調子のグループとなった。


 そうこうしている間に、10月からは少女時代が3rd mini album『Hoot』をもってカムバックし、去年の‘願いをいってみて’で2NE1とやりあった苦渋の屈辱は挽回され、今度は日本で成功を収めた(オリコン1位)ことが韓国芸能界の士気を高めたのか、一気に「今年は少女時代の年だ」という流れが起こった。
 そこで、2NE1は一歩引き11月あたりから最後の後続曲となるバラード曲
‘つらい(アッパ)’をもって活動した。抜群の歌唱力がある彼女たちしか歌えない名曲。





 12月にはヤマハバイク『Fiore』のCMに起用されそのイメージソング‘Don't Stop The Music’も作られ、そのサウンド、その遊び心、すべてが2NE1らしく、今年は少女時代の年のような風潮があったので本領が発揮できなかったかもしれないが、彼女たちの実力からみれば来年以降はさらに2NE1は加速していくに違いない。
 これからも目を離してはいけない最重要K-POPガールズグループである。





 
            



DISCS


『FIRE』



‘FIRE’MV 日本語字幕



『lolipop』デジタルシングル
2009.03.27


『2NE1』1st mini album
2009.07.08


I Don`t Care [Reggae Mix Version
2009.09.03


インタビュー















 2NE1 / Fire ('09) <DIGITAL SINGLE>

 高速。CL(18)コン・ミンジ(15)パク・サンダラ(24)パク・ボム(25)からなる新人4人組、2NE1がデビュー1ヶ月で地上波音楽番組の2週連続1位を飾った。音盤(CD)発売なしでこの快挙は第2次ガールズブームのどのグループよりも最速である。YGファミリーという韓国音楽界では重鎮R&B・ヒップホップ系事務所から送り出された彼女たちは、先輩男性グループ『ビッグバン』の目覚しい人気を継続するかのように、09年3月彼らと共演した携帯CMで‘ロリポップ’を初吹込みし単独デビュー前に話題をさらう。そして間髪入れずに5月いよいよデジタルシングル‘FIREをもってデビューとなった訳だがその反響・人気たるや凄まじい勢いだ。





 私もTV出演を目の当たりにした時、パク・サンダラの扇子などのアイテム・衣装や髪を棒のように立てて固める髪型が90年初頭、米国でデビューと同時に社会現象を巻き起こしたティーン3人組『TLC』をかなり模写していたので全員10代の悪ガキというコンセプトなのかと思いきや、前述の通りメンバー間の歳の差は二手に分かれながら最高で10歳も違う。
 しかし、そこをまるで一つの生命体のようなエネルギー『
2NE1』に取りまとめているのはリーダーのCLで、同じ年代の少女と比べても爆発的なカリスマ性と貫禄を兼ね備えた逸材。CLは幼少期を父親の仕事のため様々な外国で暮らし、 2才から小学校2年までは日本で、以後はフランスへ移住する。 そのため、彼女は日本語、仏語、英語を加え4ヶ国語を操れる女性となった。YGには06年から練習生として合流し、尊敬するアーティストにマドンナを挙げ彼女のパワフルさに憧れながらも、すべての同性ラッパーに対しても敬意を表している。
 次に、
コン・ミンジは韓国舞踊家コン・オクジンの孫娘。幼少期からの踊り好きはどうやら遺伝的でもあり小学校4年生の時に参加した光州市開催のダンス競演大会で見事1位になる。YGへの参加はメンバー中、一番古く小学校6年で練習生として参加、末っ子にしてすでに5年もの下積みキャリアがある。現在は英語と日本語、中国語も勉強中で作曲・作詞にも貪欲な姿勢をみせるコン・ミンジ(KARAの末っ子カン・ジヨンと同い歳!)の持つダンスパフォーマンスには是非注目されたし。普通、15歳なら花も恥らう乙女である。それがダンスホールばりの女性の胸を強調したレゲエダンスで同世代同性ファンから黄色い声援を受けている。こういうシーンを目の当たりにした瞬間、確実に韓国歌謡界が変わりつつある、と痛感する次第。
 パク・サンダラ
は小学校5年生の時にフィリピンへ移住し10年間現地で暮らす。04年にはフィリピンABS-CBN 『スターサークル キャスト』芸能人公開採用プログラムに合格、現地のドラマ、広告に出演後、05年にはCDも発売している。2年前の07年に韓国へ戻りYGへ合流、他の3人にないキュート部分を担当しているサンダラは演技にも興味があるというから今後の動きにも目が離せない。
 最後に、
パク・ボム。小学校の時に渡米した彼女は10年間、向こうで暮らし7年前に帰韓、4年前からYGで本格的な練習生生活を始める。06年にはイ・ヒョリとAnystarのMVで共演し、グループ加入後は歌姫的パートを担い、あまり聴いたことがない独特な歌唱法でファンを魅了している。彼女も現在、日本語を勉強しているしているそうだ。






 〜アイドルの定義について〜


 ここでアイドルという定義に対しての余談をひとつ。もし、アイドルという製品が存在するならば、それは若さと美貌を売りにし単に歌を歌っているだけの操り人形でしかない。そして、その後ろにはそれを稼ぎ頭にするため宣伝する事務所、いい歌を歌わせるために作詞・作曲家、アレンジャーが腕を振るう。その共同作業がヒットとともに潤い(儲かり)現在まで続いている産業(ビジネス)なのだが、もしそのアイドルが予想外の並外れたダンスや歌を披露し、おまけに作詞・作曲・編曲までこなすメンバーがいたら聞き手=ファンとしては、もっと熱狂してそこにアーティストとしての敬意が生まれ絶対的信頼を置くであろう。
 それが60年代英国のビートルズに始まり、90年代初頭韓国音楽界ではソテジ・ワ・アイドゥルで、その後もそれを良しとする風習(使い捨てではない)が、SMエンターテイメントによるHOT、シンファ(ミヌは最近のジュエリーのヒット曲を連続作詞している)を生み出し、ソテジ・ワ・アイドゥルのメンバー、ヤン・ヒョンソクはYGを興し所属アレンジャーPERRYから学んだヒップホップアイドル2期生『1TYM』のTEDDYへと受け継がれ、YGファミリーで少年だったGドラゴンも早い段階から作詞・作曲技術を伝授されビッグバンというアイドルでありながらアーティストとして支持されるグループを牽引する存在となったからくり。

 回り道となってしまったが今回の
‘FIRE’もTEDDYプロデュースであるし、今回彼女たちの魅力にとり付かれた新しいファンはYGファミリーをさかのぼって辿っていくのもまたオツ。さて、2NE1はこのようにYGから『実力』『スタイリッシュ』『タフ』さを売りにできるよう養成されたアーティストで、CLがまとめて言及するグループのコンセプトは『強いラップを土台に中性的な魅力を誇って、これを通じて、4人4色の魅力を十分にアピールすることができるグループ』ということなので、すでに有言実行しているから只者ではない。
 個人的に末恐ろしいのは日本語を操れる点と、ある公開ラジオで見せた4人の歌唱力。
ボムサンダラは歌が上手いのは想像できる。しかしラッパーといえばタシャは別格にしても歌唱力まで備わっているケースは少ないのだが、CJミンジも他の2人に負けず劣らず滅茶苦茶、歌が上手い。そして最期に言及しておきたい点は‘FIRE’の歌詞である。

〜うんざりするばかりの悩み事にはもう背を向けて〜
〜もっと大きな夢を見よう、世界は私の思い通りにできるから、大いなる自由のために〜
〜何度倒れても、信じた世界が私を裏切っても 私は絶対に泣かない 馬鹿みたいに〜
〜私があの果てまで連れて行くから もっと良い明日へ〜

といった恋愛云々ではない若者賛歌であるこの歌詞はかつてHOTがK−POPの王者となりそのメンバーであるカンタが作詞作曲し大ヒットさせた‘光’とよく似ており、TOPに君臨し続けるものしかその次の言葉を編み出せないようなそんな風格がこの2者には同居するのかもしれないな。
 







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