ティアラ(T−ARA)
 
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韓国らしい歌謡曲を操る新世代アイドルグループ
DISCS


『ABSOLUTE FIRST ALBUM』


インタビュー&‘あなたのせいで狂いそう’


『BREAKING HEART』1集リパッケージ


OST盤『シンデレラマン』


デジタルシングル『TTL』


デジタルシングル『嘘』


デジタルシングル『We are the one




ヒョミン       チヨン


ソヨン         キュリ


ウンジョン           ボラム
T−ARA(ティアラ) / 1集 ('09)   CMCC 9425

 さあ、殿方。いよいよ女性アイドルは戦国時代に突入。30代以上で、第1次アイドルブームを体験してきた男性でも怒涛のごとくデビューする新しいグループの出現にそのメンバーの名前すらままならない人も多いのでは。
 私もその一人。この
ティアラもその最たるグループで、知らない間に、韓国ではチャート1位を獲る人気アイドルに成長。すこし一緒に整理しながら進みたいと思う次第。
 
ティアラ(T-ara)は現在10代後半から20代前半の6人組で構成されている。グループ名は『歌謡界の女王になって王冠をかぶる』という意味の王冠から来ており、すでに過去同名のグループがいたため表記をT-araにした。彼女達はアイドルグループでありながら、ややトロット寄りの楽曲も歌う。それは少女時代、KARA、ジュエリー、ワンダーガールズの手が伸びない範囲を攻めていることになる。





            〜グループ結成〜


 デビューは2009年。最初期メンバーは
チヨン(※ジヨンという表記が多いですが苗字がパクで終わる場合は連音が濁音になりません)(15)、ウンジョン(20)(リーダー)、ヒョミン(19)、ジウォン(21)、ジエ(22)の5人。



創成期メンバー


 m-netメディアの元、3年のトレーニング期間を経てまずMBCドラマ
『シンデレラマン』のOST盤に‘良い人(ver.1)'という楽曲で参加。同年4月26日にはメンバー5人が写った19枚の写真を、28日には‘良い人'のミュージックビデオを一般に公開し、その全貌を明かにした。所属事務所内では同時進行で『女性時代』なる企画グループの結成も進んでおりSEEYAのキム・ヨンジ、イ・ボラム、ダヴィチのカン・ミンギョン、イ・ヘリに加えてなんと新人ティアラチヨンがそこへ投入されることになり一気に注目を浴びることに。
 
チヨン(本名パク・チヨン)はフェファ女子高1年生で167cm、45kgのモデル並みのスタイルに歌、踊りだけでなく演技まで数年間トレーニング受け準備されたニューフェイス有望株。すでに08年、スマートモデル選抜大賞を受賞し「第2のキム・テヒ」と謳われながらsgワナビーのMVにも出演した。ウンジョンは子役出身で映画『マドレーヌ』などに出演、ジウォンはホラー映画 『コ死:血の中間考査』『悲しみよりもっと悲しい物語』に出演、ヒョミンはFTアイランドの‘Heaven'のMVに出演。ジエは並外れた歌唱力の持ち主。しかし、6月にはデビュー間もないメンバー電撃交代劇が待っていた。


      〜第2期メンバーと初ステージ〜


 なんと
ジウォンとリード・ボーカルのジエが脱退し、歌手チョン・ヨンノクと女優イ・ミヨンの愛娘、チョン・ボラム(23)が新たに加入することに。デビュー前から応援してきたネチズンはジエの脱退に反発したが、所属会社エムネットメディアはデビュー後、2人がグループのカラーに合わないと判断したそうだ。また、もっとややこしいことにすでに大御所女性グループSEEYAの看板娘ナム・ギュリが4月突然脱退してしまったため、その穴埋めにティアラチヨンが借り出された。
 そのまま
チヨンがSEEYA加入かと思われたが、6月のメンバー交代とともにチヨンも帰り、新たにミョンジ専門大学校演劇映像学科で演技を学んでいるキュリ(22)(ナム・ギュリと似て非なる)とこれまた女子高時代から演技を勉強していてなんと少女時代のデビュー直前に脱退したとされるソヨン(22)の2名が加入、ここにようやく6人編成の『第2期ティアラ』が完成する。



第2期メンバー


 7月には、新しい
ティアラを売り出すべく、MBC『ラジオスター』に出演、テコンドー、パンソリ、声帯模写などメンバーそれぞれの得意技を披露。特にテコンドー三段保有者のチヨンが見せた迫真の板割りにはMCらも騒然となった。マスメディアに露出を開始した7月の29日には新生ティアラのデビュー曲‘嘘(コジンマル)'をオンライン音楽サイトで公開。トロットを基調としたこのナンバー、CD発売までは漕ぎ着けなかったが、8月からm-netのエムカウントダウンをはじめ音楽番組でデビューステージを初披露、新しいガールグループの出現を皆に告げた。
 私も、この頃
ティアラの存在を知ったが、ローティーンで構成されたトロットアイドルグループと思っていた。‘嘘'はヒットはしなかったが綺麗な女の子達がめずらしくトロット系歌謡を歌う光景はかなり強いインパクトを与えたに違いない。m-netでは平行して彼女たちを主人公になぜかゴーストに変装させ展開する風変わりなストーリー『ティアラのゴーストショー』も撮影された。
 9月には、男性新人グループ『超新星』とコラボし
‘TTL (Time to Love)'をデジタルシングルで発表、サイワールド、m-netで1位2位を記録するヒットとなった。この楽曲もトロットとダンスミュージックの融合地点のような作品。


          〜ファースト・アルバム発売〜


 そして、それから2ヶ月後の11月27日。いよいよ
ティアラ単独の1集『Absolute First Album』が完成し、ダウンロードサイトに登場。ダウンロード中心の音楽業界で音盤予約枚数が2万5千枚を記録し、マスコミ各社もブレイクの予感を感じ取りざわめき立った。2009年12月から2010年の頭にかけて彼女達は、まず1集収録曲‘Bo Peep Bo Peep'という可愛い振り付けの中毒リフレインが耳に残るポップナンバーで活動。これが、年末賞レースで停滞していたチャートに急浮上。そのまま各音楽番組であっさり1位を獲得してしまった。女性アイドルグループのライバルこそいないものの大御所や中堅男性歌手を押しのけての快挙は彼女達の時代が来ることを感じさせた。
 筆者の個人的な感想としては生歌が未完成な
ティアラが韓国国民に受けたことは意外。今までのチャートアクションなら歌が下手な歌手(上手なメンバーもいるが)は上位には喰い込まなかったはず。これはきっと、韓国音楽界が過渡期を迎えていて音楽性より人間性やキャラクターが優先される現代の日本音楽業界へ近づいている傾向といえるかも。
 2010年に入っても
‘Be Peep Bo Peep'旋風は少女時代カムバックまで続き、運良く後続曲‘初めてのように'も1位となる音楽番組も。しかし、時は女性アイドル戦国時代。
 1月末の少女時代2集カムバック‘Oh'は賞賛をもって迎えられ、大型新人2NE1のデジタルシングル発売にもなんとか競り勝ち1月2月は少女時代の占領区となった。2月中旬にはバラエティなどで認知度を飛躍的に上げたDSPエンタの歌姫『KARA』が3rd maxi ‘怪盗ルパン'でカムバック。完成された名曲だっただけに時間差で少女時代と交差するように1位をものにした。


          〜セクシー路線も大ヒット〜


 新興勢力とは恐ろしいものでこのKARAの華麗な復活に今度は
ティアラの1集リパッケージ(2/23発売)『Breaking Heart』をぶつけてきた。周知の人はスルーしてもらいたいが、リパッケージはアルバムの売り上げを継続して伸ばすために後続曲を立てそれをメインにアルバムを新装して売り出すやり方で、ファンはどうしても買ってしまう。このティアラのリパッケージでのタイトル曲は‘あなたのせいで狂いそう'でファッションイメージは今までになくセクシーで近未来的。去年のブラアイやソン・ダムビに近い。歌はオム・ジョンファ→IVY→ソン・ダムビ直系のセクシーポップ。
 ‘Be Peep Bo Peep'
の純粋さから180度のお色気に同世代や私も面食らう。ローティーンにレザー・エナメルを着せ化粧させたような妖艶さが漂い「子どものように 生きてきたのに おかしくなりそう」とセクシーな振り付けで誘う。平均的には20代なのでこういったプロモーションもありなのだろうが多分、チョン・ボラムが23歳の割りにかなりおチビさんで幼い印象を漂わせているためグループ全体を子供集団のように勘違いして見ていただけにこの変化の格差は凄い。
 筆者の思惑以上に韓国現地での
ティアラへの支持・人気は凄まじく、KARAが1位を獲った次の週には‘あなたのせいで狂いそう'が1位になるという異例の光景が見られはじめ、いよいよ人気のポジションがトップアイドルという定位置に。続く3月も後続曲‘あなたがとても痛い'で活動、好評を得た。
 5月3日にはワールドカップ応援歌
‘We are the one'のティーザーを公開、話題をさらっている。


 ここまで動きを総括すると、
ティアラは現在のJ-POPには存在しない異質なグループといえる(先輩のSEEYA,Davichi然り)。時代でいえば、昭和40年代末〜50年代中頃(1970年代中期〜後期)の日本、演歌と歌謡曲とポップスがうまい具合に混ざり合って共存していた時代の音にRAPやR&Bを加味している。なので、現在の日本のリスナーにはメロディだけ聴くとダサさや懐かしさを彼女達に向けるかもしれない。しかし、こういった日本で忘れられかけている(少なくともメインストリームではない)トロット歌謡を韓国国民は生活の中にまだ必要としている現実があるということをお忘れなく。

 

 

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