“ロリポップ”とは誰もが幼い頃好きだったチュッパチャプス(棒キャンディー)のことで、口に入れると次から次へとさまざまな味がすることと多様な音楽に味つけできる女性デュオになりたいということをかけて命名された。メンバーはサラ(19)とフィジン(19)。ジャケが最高にいいので内容もいいのでは?となるがこのアルバム、テクノ歌謡色の強い後続曲“Love Impact”を含む、時代遅れな俗っぽいサウンドが多いのを否めない。 このアルバム、よくある色々なジャンルの音楽を盛り込みすぎて継ぎ接ぎだらけの人造人間的印象を受ける。何がしたいのか分からないのでファンもつきにくかっただろう。サラはR&Bサウンドが好きで、フィジンはロックサウンドが好きであったので一緒にアルバムを作る際、雰囲気を合わせるのが大変だったと語っているが、やってることがダンス歌謡では2人以上に私がびっくりする。そのイメージが強すぎてヒットせず、あっさり葬り去れてしまう。これは作っているプロデューサーのジェネレーションギャップなのではないかと思ったりする。まだこういうのが売れるぞ!的な感じ。この感じで売れてるのはクオリティの高いコヨーテくらいでしょ。しかし、K−POPというものは駄目なアルバムでもびっくりするぐらい違ったサウンドが混じっていたりするから要注意。それが5曲目の“Snow”だ。何もしらずにボビーキムが参加し魔法をかけているが、2・4・6・7・10で完全にダンス歌謡をしていてその存在も消してしまうほどだ。2人の歌の下手さに頭がキンキンする。でもユンイルサン系のダンス歌謡好きなら2曲目“願い”が肌に合うだろし、冬を意識したリーダー曲2曲目はピンクル好きの正統派ガールズファンに受ける、またコンピに入れてもおかしくないきれいな歌だと思う。料理しだいではもっと良くなっただろう、どっちつかずだった可愛そうな例。
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