イ・サンウン (リーチェ) 
 
国民歌手。’88 川辺歌謡祭で大賞を獲った“ダムダディ”が大ヒット。
その後、日本人竹田元との出会いにより、6枚目にして流行歌手からの脱却に成功。
韓国に留まらず、日本やイギリスにその活動の場を拡げ
ボーダーレスな音楽性(時には民族的、ケルティック)でフェミニン(女性らしさ)を表現する。


DISCS

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その他のアルバム

●1989 『VA/第9回川辺歌謡祭』 (JCDS-0038)
●1989 12月『クリスマスがまた帰ってきた』(JLS-1202308)レコードのみ
●1990 『VA/カササギの声 トントントン』キムホングク他
●1991 3月『VA/お祝いの歌』(MDCD-0067)
●1992 『イサンウン ベスト』(JCDS-0281)
●1997 『VA/OST盤“花を持つ男”』(WJC-0014)
●1997 『ウォンイル 1集』(SCO-144WIN)1曲目にfeat
●1997 『VA/お弁当特攻隊』 (VIPCD-20242)
●1998 9月『OST盤“がんばっていきまっしょい”』(VJCP-025421)
●2000 『VA/お弁当特攻隊2』 (DRMCD-1646)
●2001 11月『VA/2001 Ssamzie Sound Festival』(DBKGD-0075)
●2002 7月『キムスチョル/Pops&Rock』10曲目歌唱
●2003 3月『ミュージシャン イサンウンの東京ストリート体験』(日曜新聞社)
●2004 6月『VA/OST盤“人魚姫”』(EKLD0415)
●2007 8月『Out Of Space』digital single

イ・サンウン 

 @は、’88川辺歌謡祭で大賞を受賞したその翌年89年初頭に発売されたデビューアルバム。イサンウンを気に入り録音させたカンインウォンがプロデュース。ほどんど作詞作曲が彼でサウンドもカンインウォン色が強い。この中から悲しみを持ったメロディー“愛してる愛してる”がヒット。本人曰くあまり好きではない1stらしいが、すでに4曲目“悲しみのない別れ”ではイ・サンウン自ら作詞に参加していて意義深いアルバム。Aは1stと同年の暮れ発売。アイドル歌手としては同路線で“愛するの”がヒット。同時にこの曲に盗作疑惑がかかり不名誉な時期を過ごす。アルバムは“ダムダディ”を作曲したキムナムギョンが“ヒュー”“思い出だけは男”を提供したりカンインウォン以外の参加が目立つ。中でも“アオアオア”は初のイ・サンウン作詞作曲で彼女の持つワールドワイドで多様な音楽性を垣間見る。Bは2集発売後一切の芸能活動を中断して美術勉強のため単身NYへと渡った2年後の’91に届けられた3rd。すでにそこにはアイドル云々はなく、全曲作詞作曲した(1曲目はカバー)SSWとしてのイ・サンウンが新しく現れた(プロデュースも彼女!)。この路線は現在まで続く。9集でもセルフリメイクされた“三日月”など今でも古さを感じさせない名盤。Cは当時の韓国歌謡界の動きが強く反映された92年発売の4th。同年、歴史的グループ『ソテジ・ワ・アイドゥル』が“僕は知ってる”で大ブレイクしている最中に発売されただけあって当時流行してたハウスやブラコンの影響が強い。イヒョヌ“夢”イスンチョル“彷徨”を作曲した売れっ子キムホンスンとの共同プロデュースで、RAPしたりR&Bしたりと全キャリアの中でもかなり風変わりな一作。Dは93年に発表された5th。アンジヌが編曲を担当してる事もあり、ロック・アンダーグラウンド要素が強い仕上がりになっている。その中でも“いつかは”は久々のヒットとなった。“壁”ではイサンウンらしい曲作りが聴け“道”ではまだどこかしらロック歌手的なシャウトが残り試行錯誤を感じる。この曲はのちに“the path”と改名され日本でシングル化された。Eは2年の空白を経て、95年7月に日本で先行発売された6thにして名盤。日本人竹田元との出会いで開眼した彼女は自分の個性と方向性を見つけ出した。まず、竹田氏(p,key,accordion)をはじめメンバーが楽器すべてを担当することにより彼女は『歌』そのものに没頭でき、自由に宙を舞うその歌声は、唯一無二となる。時には英語、時には民謡的歌唱で。Fは、日本でリーチェとして活動した2年後の97年に発表の7th。同じく竹田元とタッグを組み『Penguins』として共同プロデュースした作品。竹田氏が全ての楽器を演奏し、イ・サンウンは前作より単調な歌いまわしでメリハリが無くなっているが、それもそのはず同年、東芝EMIヴァージン洋楽部の新レーベル“VJ”の第1弾アーティストとして契約し同年12月初の全曲英語アルバム“Lee-tzsche”Gをリリース。こちらに力が入っていたのではないか。その後、当分LEE TZSCHE(お父さんの姓 'Lee'とお母さんの姓 'TZSCHE'を一字づつとって名づけられた)という名前で活動を続ける。日本ライセンスのため韓国のファンは入手に苦労したというこの8thは7集から6つも曲そのままで英語歌詞に変えられリメイクされている。この2枚の変化はそれほどないが世界市場を視野に入れ英語で勝負する展開期にきていたようだ。翌年98年10月は日本の映画『がんばっていきまっしょい』の音楽をリーチェ with ペンギンズで担当。前作にも収録された“オギヨディオラ”が主題歌として抜擢された。そして翌年99年Hが同じくEMIから全編英語アルバム第2弾を発売。タイトル“Asian Prescription”は“アジアの処方箋”の意でまさにボーダーレスで癒し系ヒーリングミュージックを聴かせる。翌年発表されたI“She Wanted”は、映画『ポンジャ』のOSTも兼ねイサンウンという芸名に戻り、実に4年ぶりとなるハングル歌唱アルバム。6曲目以降は英語詞だがPenguinsプロデュースの元、イキイキした彼女歌声が聴ける秀作だ。Jは00年の暮れに発売されたベストアルバムで’91〜’99の自作曲をそのまま収録しているが日本未発売のアルバムから多く収録されているので、日本で彼女を知った人には楽しめるベスト。Kはその翌年01年に発表された通算10枚目『Endless lady〜果てしない物語』。韓日同時発売。サウンドは同じく竹田元とイサンウンの『Penguins』プロジェクト。英語・ハングルの両面を半々で収録、一時は英語で塗り固まられた彼女のアルバムだがここへきて自国の文化を改めて発信する時期に来たのだろう。





『神秘体験』


イ・サンウン / 11集 ('03)  <TE-07501>

 前作から2年を経た2003年発表の11th。プロデュースとアレンジは竹田元に加え、新たにチャヨンギュが参加している。彼は今まであったヒーリングでオーガニックな雰囲気に無機質なコンピュータサウンドを加える事によってイ・サンウンの歌に新しい息吹を注ぎ込んでいる。この試みは次回作で大きく結実することにに。ひとつひとつ糸を紡ぐ様に言葉を発する彼女は、明らかに一歩一歩地面に足を踏みしめながら自分の音楽を探している。今作では、それが3曲目“秘密の庭園”だったりするのだ。いよいよイ・サンウンらしいメロディが登場するこの曲は、次のアルバムの主軸となる様な主旋律が美しいナンバー。




ブックレット
CD

『Roman Topia』


delphinus
イサンウン / 12集 “ロマントピア”  ('05)  <EKLD-0588>


 リーチェという別名で日本とも親交の深い “イサンウン”が通算12作目となるアルバムを発表。 最高に美しいサウンドと歌声で私たちを夢の世界 『Romantopa』へ連れていってくれる。デビュー18年目、前作11集からは2年振りとなる12作品目『Romantopa』には想像するような、大御所の堅苦しい保守的マンネリさは無い。

イサンウンといえば日本人“竹田 元”と共同作業を開始した6集『公無渡河歌』あたりからサウンドが一気に、ケルト音楽、アイルランド音楽をイメージさせる牧歌的なアプローチとなってボヘミアン(放浪生活をするジプシー)のように漂うようなヒーリングサウンドに歌声を乗せる、独特な歌い方が彼女の個性となっている。 このアルバムを製作する前に、イギリスに住み 絵などの美術勉強をしていたという彼女。 そういった経験があって彼女の中に微妙な変化があり今回、この『Romantopia』は、最近の発売された どのアルバムより、かなり明るくキャッチーなサウンドで埋め尽くされている。 彼女自身も“今作は憂欝モードではなく、美しくてロマンチックな雰囲気のある歌で満たしました”と語るとおり、私が聴いた感じでも今までの曇った憂鬱な空が一気に晴れ渡ったようなそんな爽快感に加え、民族音楽をなぞる様な平凡なサウンドから脱却し、アルバムを通してメロディの斬新さ、ハッとさせられる曲展開が盛り沢山でまさにk-popの名盤といえる完璧さがそこにある。ジャケットデザインも含め、多彩な才能を持ち合わせた彼女が名付けた今アルバム『Romantopia』 とは、ロマンチックな愛情と芸術的な共感が満ち溢れた夢の世界、あるいは叙情的で、夢幻的なファンタジー溢れるユートピアを象徴する理想郷の意味だそう。さあ、アナタも『Romantopia』に入り込み地図にない村(1曲目のタイトル)を探してみよう。


3面見開き
裏ジャケ

『The 3rd Place』


イ・サンウン / 13集 ('07)  <CMCC-0952>

 イサンウン(リーチェ)13枚目のアルバム。タイトルのThe 3rd Placeとは建築用語からとったもので第1空間は生存、第2空間は生産、第3空間は高次元的精神活動をする所だそうで、「第2空間があまりにも多くて環境が破壊されて人々の感性も不毛になっていっています。冥想をして心を休むことができる第3空間が不足しています。私の歌の聞こえる所がくたびれた魂をなぐさめてくれる第3 空間だったらと思います。」とさすが芸術派歌手の意見だ。日本の沖縄で6ヶ月間滞在し、海を見ながら作曲したナンバーには、お馴染みのプロデューサー『竹田 元』をはじめ沖縄・東京の日本人ミュージシャンがゲストで多く参加している。前作で、すべて耳に残るメロディと素晴らしい完成度の名盤を誕生させた彼女だが、この13集はメーターが振り切った後の静けさ、ヒーリングミュージックを主軸に昔に戻った印象。日本・ロンドン・NYに滞在し美術と音楽を学んだ彼女だけに、その行動はこれからも目が離せない。




ブックレット
裏ジャケ

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