スペースA(Space A)
 
『S#arp』と肩を並べたダンス歌謡の完成形グループ


DISCS

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動画
(提供:demousonandayoさん 他)

                                     
隠れた名曲‘Come To Me’ Best&3集収録曲 
2集‘成熟’
2集‘成熟’日本語字幕付MV
2集‘セクシーな男’
疑惑の2.5集直前メッセージとカムバック
2.5集‘裏切りの季節’日本語字幕付MV
3集‘浮気した男’
3集&BEST‘Again’
ルルのソロ ‘Return’

第2期メンバー
スペースA(Space A) 

 スペースAは男2人女2人のダンスグループで、97年デビューから02年解散までの5年間、メンバーが急激に入れ替わった事でも知られるが、やはり4人組『シャープ』と同じ編成だったことでライバル視されチャートを競い合っていた、キム.ヒョンジョン(ソロの歌手と同姓同名だが別人)が在籍した99年あたりがピークと考えて異論はないだろう。
 スペースA(space A)のスタートは97年。韓国ではよくクラブDJが選曲したオムニバスCDが2枚組で発売されていたが、彼らはそのクラブDJプロジェクト“IVY”が最初にプロデュースに参加したグループとして『イグ』とのちに『The One』を結成する『チョン・スノン』の男性2人に紅一点キム・ヒョンジョンの3人組として同年10月
@でデビュー。当時流行ったハイパービートにレゲエリズムがMIXされたナンバー‘唇’で活動、韓国各地のクラブを中心に巡業した結果ジリジリと人気を伸ばしたが、SBS人気歌謡に出演した後、歌詞が“直接的でエロい”と放送局3社から放送禁止処分を受け、後続曲‘朱字(チュホングルッシ)’で女性『カン・ジヨン』を新メンバーに4人組で再活動するも、人気上昇途中にメンバーが軍隊入隊や負傷などのアクシデントに見舞われ早々にグループは崩壊の危機にさらされる。





 その後2年間で『スペースA』を立て直すべくキム・ヒョンジョンを一人残し、メンバーを総入れ替えした。まず実力派のヒョンジョン(21)の双璧をなすため可愛い声の『ルル(20)』がオーデションで選出されついでRAPは元“Comma”の『キム・ジェグ(19)』とラップグループ“Cost U Koast”で先にデビューしていた米国出身、美形ラッパー『ジェイソン(19)』の男性2人が強化され99年8月、2年ぶり待望の2集『Maturation』
Aが発売される。デビュー時の97年はチープなコンピュータの高音が耳をつんざいていたが99年の韓国音楽界はすでに当時流行っていたレイヴ系ダンスミュージックに韓国歌謡を溶け込ませた“ダンス歌謡(テクノ歌謡)”が完成をみた年でイ・ジョンヒョンの1stやコヨーテの1st、チェ・ジョンアンの1stなど数々のダンス歌謡名盤が生まれていて、スペースAも例外ではなかった。
 夜な夜なソウルのディスコ・クラブで繰り広げられたパーティーで求められた当時最先端の音楽(日本と解釈が違うテクノ)を見事に消化したリーダー曲
‘成熟(ソンスク)’はキム・ヒョンジョンの表現力があって高音が伸びる歌声が耳に残るK−POP名曲で、ジェイソンのクラブDJノリのあおるRAP、ジェグのラガRAP、また容姿端麗なルルも歌姫として参加させた事により、完璧なダンスグループの鑑として同じ男2人女2人の編成でチャートの常連『シャープ』とライバル的相乗効果でアルバムも10万枚の大ヒットを達成した。
 作曲には1集から一貫してDJキム・ミョンジュンが関わっており続く活動曲
‘セクシーな男’も同レベルで人気を博した。この時期、中国で『クローン』の‘クンタリ・シャバラ’をカバーし250万枚のヒット記録した人気女性歌手『スンウェン』から直々に中国公演の招待を受けるまでに国内外での人気はヒートアップしていた。

→スペースA写真館

 そんな順風満帆な2集活動終了後、期待が高まる中、1年後の00年8月再び彼らがカムバックした。SBS人気歌謡で『もうすぐカムバック』映像として録音スタジオからキム・ヒョンジョン、髪を金色に染めたルル、ジェイソン、ジェグの4人が冗談を言いながら「もうすぐカムバックします、期待しててくださいね」と笑っていたのだが、いざカムバック曲
‘裏切りの季節’でステージに登場したのはなんとキム・ヒョンジョンではなくベビボのイ・ヒジン似の見知らぬ女性だったからぶったまげた。
 ルルとジェグはそのまま残留したものの、個人的な理由からジェイソンまで米国に帰国してしまったらしく期待感は一気に失望感へ変わった。ステージ衣装は当時閉鎖されていた日本文化が開放しかけていた時期を敏感にとらえた『ルーラ』の7集で話題となった中世のアジアスタイル(朝鮮・日本)をさらに進化させ特に日本にスポットをあてた忍者などあくまでも外国人がよく勘違いする日本のイメージで登場、ヒョンジョンの代わりに入った見知らぬ新人女性アン・ユジンはなんとためらいながらも芸者(舞妓)風に祭り上げられてしまった。
 花のようにきらめいていたリード・ボーカル『キム・ヒョンジョン』はどうやらトンドク女子大学の実用音楽科に在籍中で学業専念のために脱退してしまったという。そんな新生スペースA。新しく出た『Power Secondary』
Bという作品は2番目という意味で、オリジナルメンバーがルル、ジェグしか残っていない今、彼らが加わってから2番目の作品であるという位置づけをしている。オーディションで選ばれた新しい男性ラッパー『ハン・ヨンジュン』と所属会社“ミレ”でソロ歌手としてデビュー予定だった『アン・ユジン』を強引にグループに投入したこのアルバム、私も最初は3集と認識していたのだが、本人たち曰く「3集ではなく、パワーアルバムと呼んでください」と語っているところからみてバックトラックはDJキム・ミョンジュンでさほど変わらずスペースA節だが新メンバー加入によるグループ内での完成度がイマイチなので失敗した時の保険でスペシャルアルバム化したという訳だ。
 そんな2.5集、周りの驚きをよそにクラブヒットはしたものの2集のような爆発的な盛り上がりは見せられず、後続曲
‘美しい別れ’の活動早々に、ドラマ『ジュリエットの男』Cのエンディングテーマにアルバム未収録‘どんな欲望を’がフューチャーされ(のちに3集に収録)、話題に拍車がかかるかと思われたが2曲がぶつかり合ってしまい‘美しい別れ’は尻すぼみとなった。
 新しいメンバーのお披露目のような2.5集から約1年ぶりの00年6月、今度は初めてメンバーが変わることなく3集『City Mania』
Dを迎えた。時代は急激に変化しておりどうヒット曲を作っていくか?がDJキム・ミョンジンの腕の見せ所で、韓国のクラブで当時流行っていたスパニッシュ・ラテンの要素を取り込んだダンスビートが全体を取り巻く佳曲が多い傑作となった。前作は多分、キム・ヒョンジョンが歌うと想定して曲作りがなされたと思う。今回は見た目も声もベビボのイ・ヒジンに似た線が細いアン・ユジンの声が生きた、叫ばずにゴージャス感をかもし出す作風だ。本当にクラブサウンドが過渡期に来ていた事を物語るようなアルバムで、ハイパービートもの(リーダー曲‘浮気した男’など)もあればジャジーなサウンド(後続曲‘Again’)もあり活動曲に選ばれなかったが冒頭の‘Come To Me’など02年ベビボの大ヒット曲‘偶然’のプロトタイプみたいでベビボファンに是非聴いてほしい1曲(あちらはキム・チャンファン作曲だが)などバラエティに富んでいて楽しめる。
 というのもこの3集はコンセプトアルバムらしくアルバム名『City Mania』はスペイン語のcimaが都市を愛する人という意味があるらしくそれにあてつけた英語タイトルで「都市で生きて行くということは頂点に立つための夢に向かうこと。私たちにとって都市は夢であり、成功です。その都市の中で成功と挫折が、そして愛と別離が交差するんです」ともらすメンバー。そんな人間物語のようなスケールの大きさがこのアルバムにはあるのかもしれない。結構褒めたが(笑)結局、このアルバム、オリジナル作品は最後となった。理由は定かではないが、レコード会社が2.5集までソニーミュージックだったのが3集でIK POPに変わりそこがSMエンタに吸収されてしまったからかもしれない。
 彼らの初のベスト&リミックス集『Special Remix Album』
Eを02年にSMエンタから発売し、スペースAの波乱の歴史は終止符を打った。このリミックス、‘Come To Me’‘Again’など格段にアレンジがカッコよくなっているので一聴の価値アリ。
 解散後のメンバーは、ルルを除いて表立った活動は少ないがルルは、まず女優として劇団で娼婦役に体当たりの演技でのぞみ好評を博しながら04年には後期スペースAを受け継ぐようなセクシービートアルバム、
Fで待望のソロカムバック、タオルを使ったストリッパーのような振り付けの‘Return’で活動した他、全身金粉セミヌードなど体当たりのプロモーションは彼女のバイタリティーそのもの。ジェグはグループ後期で呼ばれていたJ.Gという名で客員ラッパーとして参加したり、アン・ユジンもなかなかソロアルバム発売までことが運ばないが、04年ドラマ『パリの恋人』で1曲参加後、4年後の08年シンファのアンディのソロ1集でデュエットで1曲と精力的に頑張ってるのが微笑ましい。

 ざっと『スペースA』の歴史を辿ったが、作曲にかかわっていたDJキム・ミョンジュンもグループ解散後はこれといった仕事は耳にしないし、あの時にまさにあの時代にしか作れなかったサウンドを提供し続けた者の運命なのかもしれない。大きく分けてキム・ヒョンジョンがいた前期とアン・ユジンがいた後期に分けれるスペースAだが、あらためて聴いてもやはり、ヒョンジョンの歌声は聴くものを圧倒するほどの実力とカリスマ性があり、そのままTVの世界から姿を消したのは惜しいの一言に尽きる。アン・ユジンも3集からはピタッとグループのサウンドに当てはまり、クラブサウンドの変化を敏感にとらえたスペースAならではの楽曲を後期に生み出した功績は大きい。


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